保護者の声

2020年08月05日

年長児の保護者の声

年長児の保護者の方々に、入園時の印象や、園での生活を伺ってみました。

  • 年長児 保護者
     音幼では一人ひとりの個性が尊重され、感性が伸びやかに育っているように思います。園児が主体的にあれこれ考えながら物事に取り組むのを、先生方は粘り強く見守っています。好奇心や意欲をかき立てるヒント、何気なく見えて実は工夫を凝らされた遊びのタネが日々の生活に散りばめられ、自然に囲まれていつも楽しく過ごしている様子が伺えます。
     例えば、普段の部屋にふと新しく手作りの玩具が増えています。遊んでいて自分でも作りたくなったときには、材料がそばに用意されています。教室に置かれた本は季節ごとに少しずつ変わり、園庭の生き物や植物、そのときの興味に合った図鑑や物語がきっと近くにあります。先生はそっときっかけを準備するだけで、園児が自ら気づき、考え、方針を決めます。今日の遊びの内容から行事における役職の割り振りまで、子どもたちの成長に応じて関わり方を徐々に変化させ、裁量を広げることで自然に主体性が養われているように感じます。
     また、日常的に前面に押し出されているわけではありませんが、音楽に造詣の深い教員が揃っていることは感性の発達に大きく寄与しているように思います。時間をかけて完成された作品を静かに味わう形式の芸術は幼児期には観賞、創作が難しいのに対し、音楽は目の前で動的に展開され、さらには容易に参加し楽しむことができます。発表会の演目が園児の日々の遊びから着想を得て創作されるような環境は希少なものと思います。
     毎日のお迎えの時間には先生から一日の総括や連絡事項を含むお話があり、風通しがよく家族で幼稚園生活を深く共有することができます。個人的な面談においても、先生が園児たちをいかにじっくり見守っているか、微妙な感情の揺れも逃さず汲み取っているかが伝わってきます。目先の技術習得にこだわることなく、音幼では園児の主体性、感性が伸び伸びと育まれ、これに立脚した自己肯定感や社会性が醸成されていると感じます。
  • 年長児 保護者
     5歳の娘を持つ年長の保護者です。
     この幼稚園に入ってまず感じたことは、どの先生も愛情深く子供たち1人1人を丁寧に見て下さることです。
     入園して間もない頃、幼稚園に着いても娘が私から離れられず、泣いてしまうことがありましたが、先生が娘に寄り添い、根気強く向き合って下さったので幼稚園の生活に慣れることができました。
     私も最初は不安でしたが、個人面談で先生が娘の生活をよく理解し、お友達とのやりとりなど事細かに教えて下さるので安心できました。

     園の方針として子供の個性と自主性を尊重して下さるので、子供たちは自分のやりたい遊びを自由に楽しむことができます。自分で何をしたいか考え、行動することは勇気がいると思いますが、押し付けられることなく好きなことができるので、子ども達が活き活きとしています。
     園庭の花壇には四季折々の花が咲き、池にはメダカやカエルがいて国立駅前でありながら、自然を感じられます。
     5月頃にはビワの木に毎年、沢山のビワが実り、お弁当の時間に皆でいただけます。
     私も保育参加の時にご馳走になったことがありますが、ジューシーで美味。娘はビワが大好きになりました。
     なお、園庭は降園後、15時まで開放して下さるので子供を遊ばせて帰ることができます。
     「幼稚園でもっと遊びたい!」という娘はよく利用させていただいております。

     年間を通して様々な行事があり、親子リトミックや親子遠足など親も参加できる行事があります。
     保育参加では親も童心に返って子供と砂場に大きな山を作ったり、竹筒にヤスリをかけたり、梅ジュース作りや染物など普段はなかなか出来ない体験ができます。
    「創立記念の集い」と「表現の集い」では子供たちのミュージカルが披露されます。
     先生が子ども達の意見を取り入れながらお話や歌、踊りを1から作り上げるオリジナルのミュージカルで、のびのびと楽しそうに表現する子供たちの姿は本当に素晴らしいです。
     内容は園で栽培している苺にまつわるお話だったり、電車の好きな子供たちに応じて列車のお話だったりで園の生活要素が取り込まれた優しい内容が多く、感動で涙してしまうことも。
     年長になると「創立記念の集い」で祝い太鼓(和太鼓)の披露もあります。

     年中、年長になると課外レッスンでピアノとバイオリンを習うことができます。
     娘はピアノとバイオリンを習っており、日々の練習は大変ではありますが、上達する喜びを感じながら音楽を楽しんでいます。
     私も娘のバイオリンに感化されて、全くの初心者ですがバイオリンを始めました。
     まさか親子でバイオリンを弾いたり、娘のバイオリンにピアノで伴奏する日が来るとは。私にとって大きな喜びです。

     先生方にはいつも温かいご指導を賜りまして、ありがとうございます。
     この幼稚園で娘だけでなく、私も子育てについて多くを学び、親子で成長させていただいております。
     残りの幼稚園生活も1日1日を大切に過ごしていきたいと思います。
  • 年長児 保護者
     「おはよう○○ちゃん」、園長先生は子どもたち一人一人の顔をしっかり見てハイタッチ。お友だちのお母さんからは「○○ちゃん、いってらっしゃい」と明るく声をかけてもらい、エネルギーをたくさんチャージして担任の先生の元へ一目散に走って行きます。
     子どもたちや先生方、お母さんたちの元気な声が響き合う中、音大幼稚園の一日は始まります。
     音大幼稚園に入園して良かったと思うことはたくさんありますが、その中で最も良かったのは、子どもにとって幼稚園が自分の家と同じくらい安心して過ごせる場所であるということです。
     朝、お見送りの時、担任の先生や仲良しのお友だちを見つけると、うしろに振り返ることなく行ってしまいます。少し寂しいくらいです。幼稚園での様子は子どもにあれこれ聞かなくても、お迎えの時の表情と、空っぽのお弁当箱を見ればよく分かります。逆にお弁当を残してきた日は何かあったのかな?と気になるので、心配な時は先生に相談します。どの先生も、子どもたちの様子を驚くほど細かい所まで見てくださっているので、お話を聞くとすぐに安心します。
     幼児期の大事な三年間、このような先生方に見守られ過ごせるのは本当に幸せなことだと思います。
     音大幼稚園のこと、ご存知ない方はぜひ一度見にいらしてください。キラキラ目を輝かせて遊んでいる子どもたちに会えますよ。
  • 年長児 保護者
     入園前に年少クラスを見学した時の印象を今でもよく覚えています。
     子供達が各々に自分の課題を見つけて取り組み、遊んでいました。
     線路で遊ぶ子もいれば、おままごとをしている子、何かの役になりきっている子など、様々です。
     先生はしずかにそれに寄り添っていました。
     水分補給のお茶の時間も全員が決まった瞬間に終わらせるわけではなく、いつのまにか終わり、いつのまにか次の外遊びが始まっていました。
     それでもまだお茶を飲んでいる子もいましたが、先生はその子に急がせるわけでもなく「終わったら片付けてね」と声をかけていました。
     その光景を見ながら園長先生が「子供それぞれのペースなんです」とおっしゃっていました。
     幼稚園は集団生活を学ぶ場でもありますが、まず最初は子供が自分のペースを認められている安心感が大切なことなのだなと、勉強になりました。
     その中で子供たちがのびのびと過ごしている姿を見て入園を決めました。

     これも入園前の見学のことですが、喧嘩があっても先生は大きな声を出したりはせず、少し見守り、泣いている子供に「おちついたらゆっくり話しようね」と話しかけていました。子供たちもすっと落ち着いていました。子供の感情や心の状況をとても冷静に見つめながら問題解決へと誘導していただいているのだな、と思いました。

     大学附属ということもあるからだと思いますが、先生方は幼児教育について常に勉強されており、研修などにも積極的に参加されています。
     園児一人一人の自己表現が大切にされていて、子供の感情や心の動きを丁寧に見てくださっていることを実感します。
     音楽や創作活動における表現だけでなく、日常の中で本人らしさをどう出して行くかという表現も含め、先生方は園児がどうしたらその子らしく自己表現しながら成長できるかを真剣に考えてくださいます。

     お友達同士、園児と先生、環境、行事・・など、園児と様々なものとの関わりが大切にされています。
     また、その関わりと時間の流れに意識がおかれながら、様々な行事が工夫されているように感じます。

     たとえば、運動会や発表会などのイベントに向かう子供たちの心の動きや日々の流れと、本番というものへの向き合い方です。
     本番という一瞬の成功ではなく、なにかを作り上げるプロセスが大切にされています。
     そして、その後も続く心のあり方まで連続的に捉えられています。
     なので運動会のあとも「今日も運動会やりまーす」というように、行事は突然終わったりしません。
     全ての行事と日々の関わりがつながるよう細かく考えられています。
     「本番」はゴールではなくて日々継続している取組みの一部(途中)のようなもので、子供の心はイベントが終わっても続いている、ということに私自身(親)が気づき、意識が変わりました(そもそもの「本番」の概念がかわりました)。

     発表会(表現の集い)はすべてオリジナルです。台本は最初にできあがっているのではなく、担任の先生が舵取りをしつつ、子供達の意見を取り入れて作られています。
     舞台で使われる曲やストーリーは全てオリジナルです。ここは音大附属の強みだとも思います。
     年齢が上がるにつれて子供達も舞台への関わり方がより主体的になるからか、子供の舞台上での意欲もより高まっている気がします。
     舞台を経て子供が成長する様子や、日々への取組みが変わる姿などを担任の先生はよく見てくださっています。
     その担任先生への感謝の気もちも合わせて、私はいつも号泣です。

     笛を吹いて一律に動く、という姿を見たことはありません。
     年少時には比較的個人個人で活動していることが多い気がしますが、年長では集団でまとまって動けるようになっています。
     かといって号令のようなものでコントロールするという様子もなく、自然の流れで集団の統一感が生まれるような指導をしていただいているように思います。

     個人の日々の課題を大切にしつつも、クラス単位、園単位での課題も持ち、運動会や発表会(表現の集いと呼びます)も日々の活動と自然につながるようデザインされています。
     子供たちが主体的に課題に向き合えるように企画づくりをして頂いているので、本番へのモチベーションが生まれているように思います。

     お預かりを使っていると、なかなか全体連絡や今日の活動を聞けないのですが、お預かりの帰りに先生とお話できる機会もあります。

     お預かりが16時30分までで、水曜日や長期休暇が無いので、ワーキングペアレンツにとっては改善できるといいな、と思う点ですが、園長先生はそのような課題に対して真摯に向き合って下さっております。

     この幼稚園に入る前と今とでは、育児や教育についての意識が大きく変わりました。
     私自身も音大附属幼稚園で学び、子供とともに成長させていただいています。

たくさんの声をお聞かせいただき、ありがとうございました。今後とも職員一同、子どもを中心とした保育を進めてまいります。
国立音楽大学附属幼稚園